ティク・ナット・ハン
私が学生の頃ですから30年以上前のこと。
大学の先輩から誘われて、ベトナムの禅僧ティク・ナット・ハンの講演を聞きに行ったことがあります。
私は、その先輩が大好きで帰りに一緒に飲むビールの方が楽しみでお供しました。
でも講演の様子は、今でもまだ覚えているのです。
「一枚の紙から宇宙が見えますか?」
一枚の紙が、あなたの手元に届くまで紙を販売する人、物流に関わる人、紙を工場で作る人
紙の材料のパルプ作る人、パルプの原料となる木を伐採する人、運ぶ人などなど
あなたの目の前にあるその紙には、あなたには見えない宇宙が広がっています。
みたいなお話でした。
いつもなら、絶対寝てしまう(ビールは終わってからと我慢していましたが)
感じのお話ですがお話の内容よりも、ステージの上のティク・ナット・ハンから流れてくる
風のような波動がとても気持ちよかったことを今でも思い出します。
そして、彼の言う宇宙を想いながら、先輩と公園で缶ビールを飲み
ぼーっと夜空を見上げているのが、とても気持ち良かったです。
愛すること=今ここにいること
彼の著書にこんな話があります。
“ある日、父親が息子に「12歳の誕生日に何がほしい?」と聞いた。
父親はとても裕福で、なんでも買ってあげることのできる財力があった。
でも息子は答えることができなかった。
彼の望みは父親がただ、そこにいてくれることだった。
父親は仕事が忙しくて、家庭に向ける時間はわずかだった。
家にしても頭の中は仕事のことでいっぱいだった。
愛することは何よりも「存在すること」
実は存在することは簡単なことではない。訓練が必要。瞑想とは存在するために行う“
ここ数年よく聞く「マインドフルネス」の考え方ですね。
でもこれを読んだ時、胸が少し痛みました。
私も息子が幼い時、一緒に遊んでいてもずっと仕事のことばかり考えていた時期が
あったことを思い出すのです。
またこの話の父親は「脳疲労」の状態でもあります。
脳疲労とは、
shold(こうあるべき)
must(これをしなくてはいけない)
で頭がいっぱいの状態です。
すると
Feel (感じる)
Want(こうしたい)
がわからなくなってしまいます。
脳疲労になると、自分でも愛を感じることが出来ないし愛を与えることが出来なくなってしまいます。
気づきの呼吸
ティク・ナット・ハンは、ここでシンプルなワークを教えてくれています。
・気づきの呼吸
「息を吸いながらー息を吸っていることに気づく」
「息を吐きながらー息を吐いていることに気づく」
心の中で唱えてみましょう。
少しの間、集中して行えばしっかりと今ここに存在できるようになります。
さあ、今、やってみてください。
私はたった1分間やるだけでとても気持ちが穏やかになりました。
今では、運転中、電車の中、クライアントをお迎えする前、このブログを書く前など
いつでも心の中が静かになるのを感じます。
脳疲労の状態を測る検査として、「心臓の鼓動を感じるワーク」があります。
でも、これは有効ではありませんでした。
なぜなら、ほとんどの方は自分の鼓動を感じることが、出来なくなってしまっているのです。
ティク・ナット・ハンはこう言います。
「日常生活で、身体と心が一つになっていることはほとんどない。
身体はここにあっても、心は怒りや嫉妬、過去の後悔や未来の心配をしている」
そして、こう結びます。
“もし先ほどの父親がこのことを知っていたなら、気づきの呼吸を1、2分して
しっかりここ存在してから、愛する息子に近づいて微笑みながら、こういったでしょう。
お父さんはお前のためにここにいるよ
あなたの存在は、愛する人にあげられる最高の贈り物です“
うちの息子にこう言ったらどうなるやろう?と思いながら、息子の顔を見たくなってきました。
最も強力な呼吸法
「息を吸いながらー息を吸っていることに気づく」
「息を吐きながらー息を吐いていることに気づく」
この気づきの呼吸をぜひ!ぜひ!水素吸入をしながら実践してみてください!
活性酸素除去とマインドフルネスの相乗効果で、脳疲労の回復にとても効果的です。
どうぞ、研究所でお試しくださいね!!